2016年4月10日日曜日

★スポーツ選手の実力世界についての考察★

こんにちは。
そろそろ東京での桜も終わりでしょうか。
今年は例年になく色々な場所でお花見しました。季節の変わり目をいつになく噛み締められました。そんな中、我々神楽亭4月15日に渋谷の喫茶smileさんで今月最初のライブです。
そろそろ二人でのアンサンブルにも慣れてきました。是非お越し下さい。


さてワタクシも今から30数年前は、アスリートの端くれでありまして競泳選手でありました。小学3年の終わりから、故郷山形県鶴岡市にある鶴岡スイムクラブに入り、高校3年の夏季国体で引退するおよそ9年間、毎週月曜日を除きガチで朝は5時30分から7時過ぎまで、夕方は6時頃から8時30分まで泳ぎました。合宿で一日最大30000m位泳いだでしょうか。ま、とにかく現在の怠惰で飲んだくれの自分を当時の少年のワタクシが見たら、軽蔑される事は間違いないと思います。(笑)

そんなワタクシが在籍したクラブから、苦節45年目にして初の五輪代表選手が誕生しました。

小関也朱篤(こせきやすひろ)選手24歳、現在はミキハウスに所属するプロのスイマーです。なんと彼はあの北島康介君と同じ平泳ぎの選手なんですけど、今回のリオ五輪の派遣選考会では100mも200mも北島君を破り優勝しましたー。しかも200mでは世界新記録に迫るペースでの優勝だったのですよ!。また、彼を高校時代まで教えた現キムラスイミング代表の木村憲氏は、ワタクシの同級生で共に鶴岡スイムクラブ時代の仲間でもあるのです。


小関選手のリオ代表がかかったこの派遣選考会。
最近はほぼ水に浸かることはなく、酒浸りなオジサンと化したOBのワタクシも、酒瓶をテーブルに置き19:00のNHKニュース辺りからまだかまだかと飲み始め、100で小関選手が優勝すれば完全に記憶がなくなるほど飲み、また200mでは世界新記録を出してしまいそうになれば、テレビに向かって叫び続け、しかも右手にはグラスをしっかと持ったままという…(笑)。そして代表が決まった瞬間には大声を出し、余韻に浸りまた飲む、さらに飲む最高のひとときでありましたー。


しかし、
しかしですよ。
どーしても納得いかない出来事がありました。
それは100m・200m平泳ぎで優勝したのは小関選手であったのにも関わらず、先にインタビューを受けたり時間を長く割かれるのは、北島康介君であったと言う事でした。特に200m決勝後、北島君は引退を表明していましたので、小関選手の表彰式を全てカットしたNHKには激怒しております。民放ならいざ知らずでね。


それは確かに五輪二連覇して、ここ約10年間日本の平泳ぎを牽引してきた彼は素晴らしい。また、民放であるならばスポンサー等の兼ね合いもあるでしょうから、有る程度な「北島優先」はしかたないでしょう。しかし、NHKならば先ず代表に選ばれて、北島君が泳いだことのない記録で泳いだ小関選手を讃え、それに敬意を表して表彰式までしっかり放送してから北島君でもよかったのではと切に感じましたし、また民放サイドにも日本コカコーラ完全スポンサードの下、翌日にでも一時間特番すれば?「サヨナラ北島康介」的な番組をと、本気で怒りを覚えました。


それでね。
小関選手には、マスコミのみなさんあまり余計な取材とか変なプレッシャーかけるのやめて欲しいのです。今日の夕方のニュースでも「きっと北島選手の気持ちは後輩が受け継いでくれます。」的なコメントが多かったんですけど、そんなのはあくまで建前で本当の意味で他の選手の気もちは「早く北島に引導を渡さないと、オリンピックじゃ勝てない。」なんですよ。オリンピックで最終的にメダルを取るのは本人です。ましてや、陸上とか水泳とかの個人競技であれば尚更です。一個人選手の協力者(親族・競技関係者)というものは、真に見返りを求めず献身的なんですよ。インタビューの時、そんな人達のことを想い選手は泣くのです。


商品を売る為のスポンサー
購読数や視聴率しか考えないマスコミ

そんなモノのために、彼らは泳ぎませんよ。
最終的には自分との闘いなんですよ。






2016年4月2日土曜日

★なんとなく「見せしめ」という言葉への考察★

今年も東京での桜が満開の頃になりました。
我々神楽亭、3月3本のライブを行いまして、ワタクシと中村研司二人になりましたが、少しづつ二人でのビート感を掴みまして、ひとライブ事に良くなっていることを実感しております。4月は、最近お馴染みとなっております渋谷喫茶smileさんと、多趣味の素敵なマスターのお店、久我山Bobby's Barさんでのワンマンライブであります。皆様是非お越し下さいませー。


さて、今度「アイヒマンショー」という映画が封切りされるそうですね。
これは1961年にイスラエルの諜報機関「モサド」により逮捕・連行された元ナチスの将校、アドルフ・アイヒマンの戦犯裁判をテレビで世界に公開した男達の真実の記録でありまして、実際公開された放送も賛否両論を巻き起こしたらしく、ワタクシも是非観たいと考えております。


アイヒマンさんは、いわゆる「ホロコースト」における各強制収容所にユダヤ人を輸送する為の部署の中核にいた人物だったそうで、ナチスドイツ降伏後は偽名を使い赤十字が発行した難民証明書を使い、ペロン政権下のアルゼンチン・ブエノスアイレスに逃亡・潜伏していたわけですが、「モサド」の執拗な追跡により拘束、イスラエルに護送され戦犯公開裁判後、死刑が確定し絞首刑となりました。


実はワタクシ、前にこのアイヒマン裁判の公開記録部分を編集したドキュメンタリー映画「スペシャリスト」というのを観たのですが、どーもこのアイヒマンという男の元ナチス将校という冷血なイメージとは違った、ごく普通の事務方然とした淡々と証言を重ねる姿に、強い人間性を感じましたし、逆にイスラエル側の検事の「逆上的」なまでの、「ユダヤ人」としての感情が表に出た尋問。またなにひとつ仕事をしているようには見えない弁護人など、非常に「みせしめ」的な感想を持ちました。


これは前にも同じ感想を抱いた「ニュールンベルグ裁判」や「東京裁判」と同じ、やはり戦勝国である連合国側が敗戦国の戦犯を裁くという「見せしめ」の図式が大きいのだと思うんですね。ただし、「人道に対する罪」の部分では、ホロコーストを行なったナチスと大日本帝国とでは、多少の違いもありまた、「東京裁判」で事後法で裁かれた日本の戦犯に対しては今も司法の世界で賛否が問われています。「アイヒマン裁判」もまた、国際裁判ではなくイスラエルがナチスドイツの一将校を一方的に裁いた意味においては、やはり「見せしめ」の意味が強いような気がするんですよ。


ハンナ・アーレントという哲学者は、
ユダヤ人でありながらも、この裁判を見てアルゼンチンの内政を無視し非合法でアイヒマンを拘束・連行したイスラエル政府を非難し、「人道に対する罪」であるならば、広島・長崎に原爆を落とした連合国側もまた裁かれなければならないと、東京裁判で弁護人となった米国人弁護士と同じ発言をして、シオニズムロビーから物凄い非難を受けました。


第一次中東戦争では、ナチスの残党がパレスチナ側についてイスラエルと戦いましたよね。勝手に国境線を作りイスラエルの独立を認めてしまった国連の責任は大きいんだと思いますよ。そしてこの問題を、「見せしめ」の方法で当時の世界の感情をまぎらわせて、現在世界で渦巻く「難民問題」になんの打開策を取ることのできない常任理事国。


フセインもビン・ラディンもカダフィでさえ、
「見せしめ」だったんですかね?